新築のプランが決まる過程で一番の問題になるのが予算の話。
展示場で夢を見て・・・
カタログで妄想を膨らまし・・・
いざ予算をだしてみると・・・
大幅に予算オーバー!!
ほぼ8~9割の人が陥る予算問題。
コストダウンと間取りパズル
間取りが大きくなって困っている人に質問です。
建築会社と打ち合わせの時に間取りの希望をどんな風に伝えていますか?
簡単ですけど自分たちで間取りも書いたりして!
提案されたプランはどうでした?
自分たちの要望が多いからなんですけど・・
たとえば、営業がヒアリングで次の質問をしたとします。
「一生に一度」「人生で最大の買い物」 そんな言い方をされる家づくり。国土交通省の 平成28年度 住 宅 市 場 動 向 調 査 報 告 書 によると注文住宅では住宅ローンの借入額が平均で約3,000万円となって[…]
コストダウンでしてはいけないコト
それではどんなところをコストダウンしてはいけないのでしょう。
・屋根材のグレードダウン
・外壁材のグレードダウン
・構造に関わるグレードダウン
・断熱のグレードダウン
・全体的な縮小プラン
ところが全体的なコストダウンは満足度も満遍なく下がりお薦めしません。また、欲しかったこだわりを諦めるなどすると、これから始まる長期の返済モチベーションにマイナスの影響を及ぼします。「このために頑張る!」そんな箇所は家には絶対必要といえます。
コストダウンのコツは“なんとなく”の排除
先日ツイッターで子供部屋の広さについてアンケートをとりました。合計69名の方に協力いただいた結果をここで参考資料として使用させていただきます。
子供部屋の広さは?(建築済のかたは採用した大きさ、これからのかたは欲しい大きさ)#家系ブログを盛り上げる会#家づくり #住宅設計 #新築
— たの🍀住宅Proアドバイザー (@TANOSHI_E) May 22, 2020
アンケート結果をみると子供部屋として希望する広さはダントツの55%を集めた6畳でした。そうですよね、私自身も一般的な提案として使うサイズ感が6畳です。
ところがなんとなく思っている6畳というサイズ感は、どこからきているのでしょう。
自分の体験からでしょうか?
それでは、試しに今回アンケートで集めた部屋の大きさで二部屋を基準にレイアウトしながら考えてみましょう。一番小さい3畳の例以外は同じベッドと机をレイアウトに使っています。
どうでしょう8畳は、6%の方が希望したサイズ感ですが、かなり大きく見えますね。ちょっとしたリビング並みです。たくさんのお友達も呼べる贅沢な大きさといえます。
一番人気だった6畳は、「THE子供部屋」といったサイズ感でしょうか。適度な余裕スペースもあり汎用性がありそうです。
二番人気の4.5畳はベッドと机が接近してコンパクトにまとまった感じです。個室として十分なスペースが確保されています。
そして意外に三番人気の4.5畳以下のプラン。今回は3畳でレイアウトを作成してあります。このプランだとベッドを配置すると机が置けませんでした。収納は、少し工夫して本棚と洋服を入れるクローゼットを計画して扉のないプランにしました。
ちなみに机のかわりに造作でカウンターを設置したものをパースで作ってみました。
コストダウンして満足度アップ
現役の住宅営業をしていたときに最初の提案で気をつけていたことは、プラン提案の時2つのプランを用意すること。プランを2つ作る、これは意見が分かれるところですが私は一つは「お客さまのイメージしたプラン」もう一つが「お客さまの固定観念を外すためのプラン」の2つを提案するようにしていました。
最初のようなプランは保守的なお客さま(または先生と呼ばれる職種のお客さま)には絶対必要で自分の要望通りでないと納得できない方が一定数いらっしゃるからです。
もう一つのプランは即決定ってことは少ないですがお客さまに「こんな考え方もあるんだ!」と気づきを与えられもっと聞いてみたいって思っていただくためのプランです。このプランは意識的に小さく提案します。
小さくて豊かな家。
みなさんは日本の家、通称ウサギの小屋なんて言われますが世界でみるとどのくらいの大きさかイメージできますか?
統計資料によって数値が変わったりしますが世界で一番大きい家に住んでいるのがアメリカです。まさにイメージのままですね。
そして日本はというと5位にランクインするんです!ちょっと驚きですよね。豊かな生活をしているイメージのあるフランスで7位、イギリスの8位と比べるとビックリです。これには、家に対する考え方「所有」「賃貸」といった基本的な価値観の違いもありますので参考程度に知っておいてください。
ちなみにイギリスで家を持った作家の井形慶子さんは豊かな暮らしに大切だと思った3つのことをこのように書いています。
①家はレイアウトが良ければコンパクトでいい
②家はロケーションが良ければ古くてもいい
③家は広さより眺望
これは価値観の話ですのですべての人に当てはまる話ではありませんが非常に参考になる考え方だと思います。広さという幻想を追いかけて予算に際悩まれるより小さくコストダウンを図りながら豊かな暮らしを手に入れるのも素敵だと思いませんか。
家をもって「なにを得たいのか」家づくりの本質をもう一度こころに問いながら家づくりを見直してみませんか。
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