【コストダウンしなきゃ!】プランと夢が膨らみ過ぎて家が大きくなってしまった人へ

新築のプランが決まる過程で一番の問題になるのが予算の話。

展示場で夢を見て・・・

カタログで妄想を膨らまし・・・

いざ予算をだしてみると・・・

大幅に予算オーバー!!

ほぼ8~9割の人が陥る予算問題

こんなオーバーしたら返済できなくなっちゃう!
営業
お任せください!全てお値引きします。
そんなふうに大幅値引きなんて現実にはありません。逆に大幅値引きなんてされたら不信感もってしまうもの、通常は追加工事内容の見直し・間取りの変更・設備などのグレード変更・施主支給によるコストダウンの提案をされるケースがほとんどです。
それでもダメなら建築会社の選定からやり直しってこともよくある話です。
せっかく選んだ希望の建築会社をあきらめるなんて泣いても泣ききれませんよね。
そんな悲しい選択をしないで希望の建築会社で建築をする最短の近道はプランの見直しです。
そんなのわかってるよ!間取りで増える部分あっても減る部分なんてないから困ってるのに!!
それは本当ですか?

 

 

コストダウンと間取りパズル

間取りが大きくなって困っている人に質問です。

建築会社と打ち合わせの時に間取りの希望をどんな風に伝えていますか?

パズル

自分たちの要望をちゃんと紙に書いて渡しました。
簡単ですけど自分たちで間取りも書いたりして!
営業
それは素晴らしい!しっかりしてますね。
提案されたプランはどうでした?
それが・・希望通りなんですけど大きくて。
自分たちの要望が多いからなんですけど・・
「自分たちの要望が多いからなんですけど・・」👈これ間違いのもとです!
優しいお客さまほど、このように思いがちですけど要望を伝え過ぎたからプランが大きくなったというのは違います。ここの問題点は、建築会社の営業or設計のヒアリング能力と設計力です。
たとえば、営業がヒアリングで次の質問をしたとします。
Q.リビングの広さの希望はありますか?
Q.主寝室の広さは?
Q.お子さまのお部屋は何畳くらいで何室必要ですか?
あなたは自分の経験から大体の大きさを伝えることでしょう。それと合わせて渡した希望の図面をベースに提案の図面が出てきて予算を大幅に超えるプランが出てきたら要注意!
会社によっては契約・仮契約まで営業が提案プランを描くことも少なくなく経験値の少ない営業にあたるとこのようなケースなることが多くあります。お客さまに言われた通りの部屋をパズルのように組み合わせれば当たり前です。
こんな時は、設計士の同席を遠慮なく依頼してください。間取りパズルに陥ると本来削ってはいけないコストダウンに手をつけるはめになります。
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コストダウンでしてはいけないコト

それではどんなところをコストダウンしてはいけないのでしょう。

営業
せっかくのプランを大切に少しつづ小さくしたり、外壁のグレード下げて制震装置を省いたりすれば大丈夫ですよ!
大丈夫じゃないですよ!!
コストダウンしていけない代表的なモノ
・屋根材のグレードダウン
・外壁材のグレードダウン
・構造に関わるグレードダウン
・断熱のグレードダウン

・全体的な縮小プラン
コストダウンしてはいけないモノとは「耐久性に影響があるもの」「性能に影響があるもの」「満足度に影響があるもの」の3つです。
🏠耐久性に影響があるもの
屋根や外壁など耐久性に影響がでるものをグレードダウンしてしまうと建ててからメンテナンスでコストダウンで下げた予算以上にメンテナンスコストがかかるケースがあります。
🏠性能に影響があるもの
耐震性のを下げたり、制振装置を外してしまうことはイザという時に大きな被害を招いてしまいお金に代えれないものを失うことになる可能性があります。
🏠満足度に影響があるもの
このポイントが抽象的でわかりづらいところですが一番大事だったりするところです。コストダウンするときに全体的に少しずつコストダウンしたり、欲しかったけど実用的でないモノなどをカットできれば大きなプラン変更しなくて良いような感じがします。
ところが全体的なコストダウンは満足度も満遍なく下がりお薦めしません。また、欲しかったこだわりを諦めるなどすると、これから始まる長期の返済モチベーションにマイナスの影響を及ぼします。「このために頑張る!」そんな箇所は家には絶対必要といえます。

 

コストダウンのコツは“なんとなく”の排除

先日ツイッターで子供部屋の広さについてアンケートをとりました。合計69名の方に協力いただいた結果をここで参考資料として使用させていただきます。

アンケート結果をみると子供部屋として希望する広さはダントツの55%を集めた6畳でした。そうですよね、私自身も一般的な提案として使うサイズ感が6畳です。

ところがなんとなく思っている6畳というサイズ感は、どこからきているのでしょう。

自分の体験からでしょうか?

机とベッドを置きたいから最低そのくらい必要でしょ?

それでは、試しに今回アンケートで集めた部屋の大きさで二部屋を基準にレイアウトしながら考えてみましょう。一番小さい3畳の例以外は同じベッドと机をレイアウトに使っています。

子供部屋 イメージ

どうでしょう8畳は、6%の方が希望したサイズ感ですが、かなり大きく見えますね。ちょっとしたリビング並みです。たくさんのお友達も呼べる贅沢な大きさといえます。

一番人気だった6畳は、「THE子供部屋」といったサイズ感でしょうか。適度な余裕スペースもあり汎用性がありそうです。

二番人気の4.5畳はベッドと机が接近してコンパクトにまとまった感じです。個室として十分なスペースが確保されています。

そして意外に三番人気の4.5畳以下のプラン。今回は3畳でレイアウトを作成してあります。このプランだとベッドを配置すると机が置けませんでした。収納は、少し工夫して本棚と洋服を入れるクローゼットを計画して扉のないプランにしました。

ちなみに机のかわりに造作でカウンターを設置したものをパースで作ってみました。

子供部屋 イメージ

あれっ⁉思ったよりちゃんと子供部屋になってない?
収納と本棚が広く使えて個室としていいじゃん!
勉強机をどうしても置きたいといった問題がなければこれも検討しても良い感じですね。
ちなみ一番人気だった6畳のプランは、収納もいれて必要な面積が23.19㎡で、3畳プランだと12.42㎡となります。
その差は 10.77㎡となり坪数にすると3.25坪の削減となります。
坪単価60万円と仮定すると195万円のコストダウンまたは、ほかの収納スペースや主寝室の充実が可能となります。(実際は部屋面積の減が平均坪単価の減にはなりません)
子供の自立をうながし、プライバシーを確保するといった本来の目的だけに注視すると意外に6畳というのがなんとなく思っていた広さで機能だけに特化すると小さくても大丈夫なことがわかります。孫が可愛い親が反対しがちですけど、「反対するなら資金援助をして!」とお願いする良いきっかけになったりします。
また、子供部屋のライフサイクルを考えると子供が巣立つまでの8~10年限定の部屋でそのあとは、どのように使うでしょうか?そんな視点で考えても良いかもしれません。
私なら本棚を追加して書庫か書斎にしたいですね。昨今のテレワークで注目の夫婦別々の個室・仕事部屋にするのも良いかもしれません♪
今回は子供部屋を参考に「なんとなく」を考えてみましたが、家づくりの中には固定観念で思い込んでいるだけのものが他にもあります。本当に必要なものが何なのかをもう一度考えるとプランも家づくりももっと自由になります。

コストダウンして満足度アップ

現役の住宅営業をしていたときに最初の提案で気をつけていたことは、プラン提案の時2つのプランを用意すること。プランを2つ作る、これは意見が分かれるところですが私は一つは「お客さまのイメージしたプラン」もう一つが「お客さまの固定観念を外すためのプラン」の2つを提案するようにしていました。

最初のようなプランは保守的なお客さま(または先生と呼ばれる職種のお客さま)には絶対必要で自分の要望通りでないと納得できない方が一定数いらっしゃるからです。

もう一つのプランは即決定ってことは少ないですがお客さまに「こんな考え方もあるんだ!」と気づきを与えられもっと聞いてみたいって思っていただくためのプランです。このプランは意識的に小さく提案します。

小さくて豊かな家。

みなさんは日本の家、通称ウサギの小屋なんて言われますが世界でみるとどのくらいの大きさかイメージできますか?

統計資料によって数値が変わったりしますが世界で一番大きい家に住んでいるのがアメリカです。まさにイメージのままですね。

そして日本はというと5位にランクインするんです!ちょっと驚きですよね。豊かな生活をしているイメージのあるフランスで7位、イギリスの8位と比べるとビックリです。これには、家に対する考え方「所有」「賃貸」といった基本的な価値観の違いもありますので参考程度に知っておいてください。

ちなみにイギリスで家を持った作家の井形慶子さんは豊かな暮らしに大切だと思った3つのことをこのように書いています。

①家はレイアウトが良ければコンパクトでいい
②家はロケーションが良ければ古くてもいい
③家は広さより眺望

 

これは価値観の話ですのですべての人に当てはまる話ではありませんが非常に参考になる考え方だと思います。広さという幻想を追いかけて予算に際悩まれるより小さくコストダウンを図りながら豊かな暮らしを手に入れるのも素敵だと思いませんか

 

家をもって「なにを得たいのか」家づくりの本質をもう一度こころに問いながら家づくりを見直してみませんか。

 

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