過剰投資なのか⁉防災住宅という名のカゲロウ

災害は忘れたころにやってくる

人は良くも悪くも忘れる生き物。

ニーチェは『忘却はよりよき前進を生む』と言っているように忘却は耐え難い苦痛から立ち上がり前に進むために必要な能力でもあります。

 

近年の地震・水害の現状は実際に見たり体験した人も多く防災の大切さを実感したハズ。

ところが!ところが日常が戻るとやっぱり意識は低下してくるもの。

古い資料ですが2012年の一戸建ての着工棟数で耐震等級3の住宅割合は15.3%!!!

これを少ないととるか多いととるかは耐震性能にどのくらい重きを置いているかでかわります。

しかし、過去に2回の大きな地震とその後の対応を現場でした経験から率直に言えばそんなに少ないの!って感じです。

いま新築をお考えの人は「耐震等級3」を基準に計画を進めることを強くお薦めします。

更に一歩踏み込んで言えば、これからは「防災住宅」を意識して家づくりをすることが重要といえるでしょう。

日常を変える災害と求められる防災機能

それでは防災機能としてどのような機能が求められるのか災害別に考えてみましょう。

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地震災害におけるリスク管理

地震が頻発しやすい地理的環境にある日本。逆に言えば近年の例をあげる必要がないほど身近でもある災害が地震です。

この災害対策として耐震性能の向上があり現在、耐震性能をわかりやすくするため耐震等級という評価基準が決められていて住宅会社の商品PRでも表示されているので見るケースも多いと思います。

地震におけるリスクは単純に建物だけでなく社会基盤であるライフラインまで寸断します。

いざ!そんな時に役に立つ住宅の防災機能とは何でしょう。

1.生活水の確保

雨水タンクの設置
雨水タンクは雨樋で集めた雨水を貯めておくタンクで据え置き型と大量の雨水を貯めることのできる埋設型の2種類があります。
雨水があれば生活水としてトイレの排水として使うことも可能で緊急時には濾過浄水器を使って引用にすることも可能です。
ちなみに浴槽の貯水量はサイズで違いますがおおよそ150L~200Lです。
自治体によっては、補助金の対象の場合がありますのでご確認ください。
《あると便利グッツ》
避難グッツの一つとして用意しておくと緊急時雨水を飲用として活用することも可能な高性能ボトル型浄水器です。
安心のシーガルフォー製浄水器。国連や各国の軍のも使用されており約400Lの浄水能力を持ちます。

2.電源の確保

太陽光発電&蓄電池の設置
災害時に水の次に確保が望まれるものが電気です。緊急情報の収集や救助の依頼もスマホを使う時代では重要なライフラインとなっています。
また、調理や暖房にも使えることから是非確保していきたいですね。
日産リーフを充電池として使ったヤマト住建とのコラボCMもありましたね。ちなみに理論的には4日間生活が可能だそうです。

《ヤマト住建:ホームページより》

3.都市ガスは諦める

水・電気・ガスとライフラインの1つである都市ガスですが大きな地震のあとの復旧はライフラインの中では一番遅く、使えなくなったら基本諦めちゃってください。

復旧しないものを当てにするほど大きなストレスはありません。都市ガスの代用をカセットボンベや電化などで準備しておく必要があります。

プロパンについては使用できる可能性がありますが配管の安全確認が終わるまでは使用を控えましょう。

 

まさかが発生する大地震

■玄関から避難できない
耐震性能が低い家では変形がおき玄関戸が開かなくなる場合があります!必ず1階に掃き出し窓など緊急時に避難できる窓を設置しておきましょう。

■天井・壁は固くない
地震対策で大型家具などを天井や壁に固定している人もいると思いますが下地がある場所に正しく設置しないと天井や壁が壊れて転倒する場合があります。

水害におけるリスク管理

浸水被害を防ぐ
大前提としてハザードマップや地形から浸水の危険のあるエリアでの建築はしないことが一番。
やむを得ない場合は、地盤を上げたり、防水効果のある塀で囲い出入口やシャッター前などを止水板で防げる構造にする。
最近は、少なくなったが床下換気口などがある場合は大雨の前に塞ぐ。

感染リスクの管理

新型コロナウィルスにより奇しくも注目されることになったリスク管理が感染対策です。

新型コロナだけでなくノロやロタなどの感染管理するのに玄関先に手洗い器を設けたり、自宅内隔離ができるように二階にトイレと手洗いを計画するニーズも高まってきました。

災害時の避難先での感染リスクを考えると自宅で避難できるということは感染リスクの低減にもなります

災害時にシェルターになる家かそれ以外か

災害の時に一番苦労するのが避難所での不便な生活です。プライバシーや感染リスク、ペットとの非難など考えただけでもストレスになりそうです。

色々な問題から避難所生活が嫌で車中泊なんて人も多くいましたがエコノミー症候群の発生リスクなど決しておすすめできません。

自分のベッドで眠れる幸せは避難経験のある人は実感しているのでは無いでしょうか。

そのためには自宅が被災後も問題なく住めるということが大前提となります。

《詳しくは:熊本地震を教訓に-耐震等級3のススメをご覧ください》

熊本地震では耐震等級3を取得した建物の被害が少なかったことが確認されておりこれからの家づくりの基本として耐震等級3は確保したいものです。

その上で災害復旧が進むまでの間、自宅退避ができる環境を作っておくことが大事です。

喉元過ぎれば熱さを忘れる

そんなカゲロウのような意識で家づくりを考えていませんか?

家族を災害から守るのはあなたの決断一つです!

災害から家族を守る家か

それ以外か

耐震等級3のコストアップは?
ハウスメーカーでは耐震等級3を標準とする商品もあります。ローコストメーカーや一般の工務店などでコストアップする要因は
①構造設計費②基礎強度の変更③金物④壁量の不足分程度ですので会社により違いはあると思いますが数十万~100万円程度です。
耐震性も含めハウスメーカーや住宅会社を正しく見積比較するには
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